答案を返してもらったとき、赤字がたくさんあると「英語ができていない」と感じてしまう生徒もいます。しかし、英検1級のライティングでは、赤字の数だけを見る必要はありません。大切なのは、自分の考えが読み手に届く形になっているか、そして次の答案で同じ改善を再現できるかです。英検 一級 ライティング 添削 方法は、間違いを直す作業ではなく、英語で考え、選び、伝える力を育てる練習です。
英検1級では、語彙の難しさだけで評価が決まるわけではありません。問いに正面から答え、筋道の通った理由を示し、正確な英語で読みやすく届けることが求められます。だからこそ添削も、「この表現は難しいから使おう」ではなく、「この一文は主張を支えているか」から始めると効果が上がります。
添削は「正解をもらう時間」ではなく「次に書けるようになる時間」
良い添削は、先生が生徒の英文を完璧な英文に書き換えることではありません。完成形だけを受け取っても、次の本番で同じように書けなければ力にはなりにくいからです。生徒自身が、どこを、なぜ、どう変えるのかを説明できる状態を目指しましょう。
まず答案を読んだら、すぐに細かい文法を直さず、問いと結論を確認します。たとえば意見論述なら、最初の段落で賛成か反対かが明確か、設問で求められた観点から外れていないかを見ます。要約問題なら、筆者の意見と具体例を混同せず、中心となる対立や結論を自分の言葉で整理できているかを確認します。
英検の問題形式や語数の指示は受験回によって確認が必要です。練習のたびに問題冊子の指示を読み、語数、段落、求められる内容を最初にチェックする習慣をつけましょう。内容がよくても、課題からずれていれば得点につながりにくくなります。
英検 一級 ライティング 添削 方法の5つの視点
添削は、一度に全部を直そうとすると苦しくなります。答案を読む順番を決めると、本人も保護者も改善点を見失いません。KS English School Hiroshima Ozuでも、書いた努力を認めながら、次の一歩が見えるフィードバックを大切にしています。
1. 設問に答えているかを確認する
最初に見るのは、英文の正しさではなく「質問への答え」です。意見論述では、冒頭で自分の立場を一文ではっきり示します。たとえば、”I agree that governments should…” のように、読み手が迷わない結論を置きます。
理由が二つあっても、結論とつながっていなければ説得力は弱まります。「環境に良い」という主張に対して、急に個人の趣味の話を始めていないかを確認しましょう。添削者は「この段落は何を証明している?」と質問し、生徒に説明してもらうと効果的です。
2. 理由に具体性があるかを見る
英検1級では、理由を並べるだけでは足りません。理由のあとに、なぜそうなるのか、どのような影響が起こるのかを一段深く書きます。抽象的な語彙を増やす前に、因果関係を一つ足すことを意識してください。
たとえば、”Public transportation should be improved because it is convenient.” だけでは、根拠が浅く見えることがあります。”It can reduce traffic congestion and give elderly residents easier access to hospitals and shops.” と続ければ、主張と社会的な影響がつながります。難しい単語を無理に詰め込むより、理由を具体化する方が自然で強い英文になります。
3. 段落ごとの役割を整える
読みやすい答案には、段落ごとの仕事があります。意見論述なら、導入で立場を示し、本文で理由を一つずつ説明し、最後に結論を短く戻す流れが基本です。同じ理由を別の言い方で繰り返していないかも確認しましょう。
添削では、各段落の横に日本語で短い見出しを書く方法がおすすめです。「立場」「費用の問題」「地域への効果」「結論」のように書いてみると、内容が重なっている段落や、説明が足りない段落が見えてきます。英語の前に論理の地図を描く感覚です。
接続語も、飾りとして使うのではなく、文と文の関係に合わせます。追加なら furthermore、対比なら however、結果なら therefore です。どれも便利な表現ですが、一文ごとの関係が合っていなければ、かえって読みにくくなります。
4. 語彙は「背伸び」より「正確さ」を選ぶ
1級を目指すと、難しい単語をたくさん覚えたくなります。それは素晴らしい挑戦です。ただし、意味や使い方があいまいなまま使うと、文章全体の信頼感が下がることがあります。
添削時には、使いたい語彙に丸を付け、「この単語は名詞か動詞か」「前置詞は何を取るか」「似た語との違いは何か」を確認します。たとえば important を significant に替えるだけでは改善とは限りません。社会への影響の大きさを言いたいのか、統計上の差を言いたいのかで、ふさわしい語は変わります。
新しい表現は、答案から二つか三つだけ選び、自分の例文を作りましょう。覚えた表現を次の練習で一度使えれば、それは受け身の暗記ではなく、自分の英語になります。
5. 文法は「点」ではなく「繰り返す癖」を直す
冠詞、単数と複数、時制、主語と動詞の一致などは、1級でも見落としやすいポイントです。しかし、すべての間違いを同じ重さで扱う必要はありません。意味が伝わらなくなる間違い、何度も繰り返す間違い、不自然さが目立つ間違いを優先します。
たとえば三単現のsを何度も落とすなら、答案全体を直したあとに「主語が he、she、it の文だけ」を探す時間を作ります。冠詞が苦手なら、名詞に線を引き、数えられるか、一つを指すのか、一般論なのかを考えます。自分の癖に名前を付けて直すと、次の答案で注意しやすくなります。
添削後の書き直しで力を定着させる
添削された答案を読んで終えるのは、もったいない練習です。最も伸びるのは、指摘を受けたあとに自分で書き直す時間です。先生が直した文をそのまま写すのではなく、まず自分の言葉で修正版を作ってみましょう。
おすすめは、三段階の書き直しです。最初に、主張と理由の順番を整えます。次に、各理由へ具体例や結果を一文ずつ加えます。最後に、文法と語彙を見直します。この順番なら、細かな表現を磨いたあとで段落を大きく削るという遠回りを減らせます。
書き直したら、声に出して読んでみてください。長すぎて息が続かない文、主語が途中で変わる文、同じ語が続く箇所は、音読すると気づきやすくなります。英語は頭の中だけで完成するものではありません。口に出して伝える経験は、面接や英会話でも役立ちます。
保護者ができる、前向きな見守り方
ご家庭では、文法をすべて教えようとしなくて大丈夫です。「何点だった?」よりも、「今回いちばん伝えたかったことは何?」「二つ目の理由を一言で言うと?」と聞いてみてください。子どもが日本語で考えを整理できれば、英語で組み立てる土台になります。
添削の赤字を努力の証として扱うことも大切です。前回より語数が安定した、結論がはっきり書けた、新しい表現を自然に使えた。このような小さな達成を言葉にすると、難しい級へ挑戦する気持ちが続きます。英検1級は長い道のりですが、一枚の答案ごとに前進できます。
次に書くときは、完璧な英文を最初から目指さなくてかまいません。まず自分の意見を一文で決め、理由を二つ選び、書き終えたら五つの視点で見直す。その積み重ねが、試験会場でも自分の考えを落ち着いて届ける力になります。
